映像用音声収録

2016年4月10日 (日)

AZDEN PRO-XD デジタルワイヤレス レビュー

殆ど辞めてしまったとばかりのこのブログ。忙しさにかまけ、更新を実に一年半もさぼっていたその間、GH4ユーザーには定番と化したNebula4000を買ったり、BlackMagic VIdeoAssistを買ったりしていたのだが、わざわざブログに書くほどのことも無かろうとスルーしてしまっていた。

しかし、当ブログでのメインコンテンツとなりつつある音声収録系のそれもメーカーさんが過去記事に答えてくれたかと思われるような商品について触れないわけには行かないと、久々の更新をする事とした。

さて、私の撮影は、相変わらず、小さなアコースティックス系のライブや、コンテンポラリーダンス関連の公演をワンマンのマルチカメラで対応というものが主なものだ。このニッチな撮影スタイル特有のニーズというものが発生し、それをあれこれ工夫してこなしてきている。

どういう事かと言うと、大掛かりな大ホールでのライブや舞台なら、マルチマイクをステージに設置し、マルチケーブルでミキサーに送りPA用と録音用に分けてミキシングして収録、となるだろうし、逆に小規模というより簡易な撮影なら音声はカメラ内蔵マイクで済ましてしまうであろう。

その間を取ると、カメラ位置にはそれなりのステレオマイク、PAから可能であれば一部(ボーカルなど)を分けてもらい、舞台前にもステレオマイクを一式セット。

これらをZOOM H6で6トラック収録というスタイルとなる。

ZOOM H6はその気になればカメラの上に取りつけ、外部マイクの様な感覚で使用する事も出来なくはないが、ある程度以上の撮影であれば、リグか三脚の脇等に取りつけ、音声を全て受けるミキサー的な使い方で運用する。まずその際、付属のマイクXYH-6は指向性も良く音も繊細で自然なので是非生かしたい事となる。

そんな訳で購入したのがZOOMのオプションECM-3

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これにより、XYH-6は自由な位置にセッティング出来る。いやむしろこれによりZOOM H6本体のセッティング位置が自由になると感じた。

しかしまだまだこれだけでは先に挙げたケースのような撮影を自由度高く楽にこなせるとは言い難い。そこで今回のメインとなるAZDEN PRO-HDデジタルワイヤレスマイクの登場となる。

2016.4.1発売開始との事でフジヤエービックに即出向いたものの入荷はなくデモ展示のみ取り寄せにて4/6に購入出来たのだが、他であまり扱っているショップが未だ見当たらない所から国内では最も早く購入したのかもしれない。

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本格的な実戦投入は未だだが、ざっとテストしてみた所の感想を列記してみる。

・予想より小さい

 一般的なワイヤレスの送受信機より二回り程度小さい印象で気軽に持ち出せる。

・操作性が良い

 シンプルながら必要なスイッチはそれぞれ指の感覚で判る様に工夫もされ、現場で焦る事はまず無さそうだ。

・到達距離はそれなり

 以前の記事で触れた同社のMOTO DW-05より若干飛びが良いようだが、やはり遮蔽物には弱い。

http://phkimura.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/azden-moto-dw-0.html

・音質は良い

 Lineレベルのステレオ入力に関し、アナログ部が特に足を引っ張る事もなく十分高品質な伝送が出来る。勿論96KHz 24bitなどではなく48KHz 16bitなのでオーディオ的品質が問われる収録のメインラインに使用するには少々気が引けるが、そこまででなければ十分有線の代用になりうる。

・付属ラベリアマイクはそれなり

WM61Aベースの自作ラベリアマイクと音を比較すると高音は篭りハイファイ感はあまりない。もっともWM61Aが異常とも言えるので、付属のラベリアマイクが劣る物とも言えない。

・マイク用の端子はモノラル仕様

マニュアルなどでもそのような感じに書かれているので当然では有るが、こっそり入力がステレオ対応だとプリアンプを別に用意する手間は省けた。

・マイクとマイクプリを別の用意し繋ぐ際ノイズが乗りやすい

2.4GHzの電波を出している都合上やむを得ない事であり、本機の問題とは言えないが、それなりにシールドのしっかりしたケーブルのマイクを使うか、送信機からマイクケーブルを離す等の注意は必要となる。

・マイク端子はiPhone仕様

普通のラベリアマイクはそのままでは使用出来ず、iPhone用の3.5mm 4極 TRRSの二番目のRがマイナス、Sがプラスという変則的なピンアサインで使用可能となる。サードパーティ製だとRode smartLav辺りが使用可能だと思われるが試してはいない。尚、付属の変換ケーブルで普通のピンアサインのモノラルマイクも使用出来る。

・遅延は14ms

以前紹介したMOTO DW-05が40msに対し、だいぶ短いので使い方によっては遅延を無視した収録も可能と思われる。実際30pで有れば1/2フレーム以下のズレとなるので、他のラインの音と混ぜるのでなければ大きな問題とはなりにくいかも知れない。

・送信機バッテリー持続時間は11時間

このくらい持ってくれれば通常の撮影で困る事はまず無いであろう。さらにUSBの5Vでの充電なのでモバイルバッテリーなどから緊急の補充電も用意だし充電中でも使用可能との事で安心だ。

 

役者さんにピンマイクを付けてセリフを録る様な撮影が滅多に無い私の場合、いわゆる従来からのワイヤレスセットは中々購入に踏み切れずにいた。しかし、過去にMOTO DW-05をわざわざ改造して同じような目的の物を作成し、それ活用していた私にとって、今回のPRO-XDは買わない理由が無かった。実践的には、やはり何らかのステレオマイクを小型のマイクプリ経由で送信機のライン入力に入れ、それを受信機からZOOM H6の二つのトラックで録るという使い方か、PAからのラインを受けるのに活用するつもりだ。

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この様な使い方をしたい向きには現在このAZDEN PRO-XDしか選択肢が事実上ない訳で、逆に本機以外を待つ理由も見当たらない。

なによりその小型さとバッテリーケアの楽さから、撮影には必ず持っていくアイテムとなりそうだ。

今後この商品がこのワンパッケージの状態にとどまらず、よりハイグレードなラベリアマイクや専用のマイクプリ内蔵ステレをマイクをオプション的な立ち位置で出すとか、受信機のみでも買えるようにするなど、使い込んでいけるシステムに展開される事を大いに期待する。

4/18追記

*送信機マイク入力端子は3.5mm4極TRRSとiPhone仕様となっている訳だが、ここにiPhone用マイク付きイヤフォンを差すと、マイクで音が拾えるのは勿論の事、そのイヤフォンに音が返される事が判った。説明書にもこの事は触れられておらず、隠し機能的な存在の様だ(音量は調整出来ない)

*付属のTRRSアダプターを送信機マイク端子に差せば、普通の3極プラグインパワー仕様のマイクが使用出来る。コンデンサーでプラグインパワーをカットしたXLRアダプタ(自作)を使用すればファンタ厶不要のRODE NTG2等も普通に使えてしまう。

*TRRSマイク端子はiPhone互換仕様なので、サードパーティのiPhone向けラベリアマイクは問題なく使用出来る。試しにSONY ECM-SP10とRODE SmartLav+を購入し繋いでみた。どちらも全く問題なく使用でき、付属マイクより幾らか音質も向上するようだ。RODE SmartLav+は小型ながらローノイズで音質もバランスが良く自然で素晴らしい。またECM-SP10も若干ノイズがRODEより増えるものの、低音までしっかり拾え、価格からは想像出来ない音質のものだと判った。

*自作のWM61AやWM62CUを使用したラベリアマイクは送信機のアンテナが近いとプーという発信ノイズのような音を拾ってしまう。プリアンプ経由でAUXインに入力してもその傾向は残る。ラベリアマイクに限らず、ステレオマイクを同じように使用するケースでもセッティング等によって同様のノイズが入る事がある。マイク自体の高周波ノイズ対策のしっかりした物をチョイスし、アンテナとマイクユニットの距離を調整する等の対策の必要が有るようだ。

2014年11月24日 (月)

AZDEN MOTO DW-05 改造

色々と目論みもあり、デジタルワイヤレスヘッドフォンAZDEN MOTO DW-05を購入してみた。
Dscf5080
まずは、普通にワイヤレスヘッドフォンとしてのレビューから・・・
小型軽量な送信機は、USB端子から内蔵リチウムバッテリーに充電するタイプとなっており、電源スイッチと電波の出力切り替え程度しかない大変シンプルなものだ。
これの3.5mmステレオジャックにヘッドフォン端子などから付属のケーブルなどで接続する。
ヘッドフォン側は、左側には単4電池2本を収納、右側はメインユニットを内蔵し各種スイッチがある。ワイヤレスとしては軽量でバランスよく出来ている。
ペアリングなどは出荷時に済んでいるようで、送・受信機それぞれの電源を入れ、接続したiPod等を再生にするだけで、すぐ音が聴ける状態となる。
音質は、まず普通に音楽を聴く範囲に於いて、ワイヤレスである事に気が付くような変化は全く感じられない。
ヘッドフォンとしての音の傾向としては、若干中域メインな印象で、落ち着いた音作りだ。特に素晴らしいと言う事も無いが、充分及第点に達していると思われる。
通信距離は、カタログに見通し10m〜30mと書かれている。鉄筋コンクリートの遮蔽物を含む12m程度の我が家内の最も意地悪なテストに於いて、あっけなく電波は途絶えた。もっとも、通常の使用や、見通しの確保しやすい現場などでは充分実用に耐えるであろう。
 
さて、ここからが本番、
例によって、これを動画撮影時のワイヤレストランスミッターとして活用出来ないか?という話となる。
まず、専用のデジタルワイヤレストランスミッターとしては、オーディをテクニカがATW-1701というカメラマウントのデジタルワイヤレスを最近発売しており、意外とリーズナブルな価格設定で、仕込みピンマイク用としては、現在最有力候補となるのは間違いない。だが、私の使用目的に於て一つ問題がある。この手の機種としては当然のことなのだが、ATW-1701は、モノラルなのだ。個人レベルの音楽系の動画撮影が多い私の場合、PAから貰った2ch音声を無線でカメラまで送れないか?とか、ステージ近くに仕込んだステレオマイクの音を送れないか?等々、ステレオである事が必須となるのだ。勿論ATW-1701を2セット買えば済むのだが、使用頻度の低さを踏まえるとちょっとコスト的に厳しい。
そこで、DW-05を少々改造して、ステレオデジタルワイヤレストランスミッターとして流用できれば、コスト的にも活用範囲に於ても画期的なものとなると企んだ次第だ。
 
色々と調べてみたところ、このDW-05と言う機種は、数あるデジタルワイヤレスヘッドフォンの中でも、特殊な存在だ。
多くこの手のワイヤレスヘッドフォンに使われているBluetoothは、データ圧縮による音声の劣化と、変動する遅延を伴う。
特に、この変動する遅延は、録音用デジタルトランスミッターとして使用した際、致命的な欠点であり、以前掲載したBluetoothをワイヤレスに活用する手法に於いてもそれが元で挫折に至っている。DW-05は遅延の変動しない独自の2.4GHz通信をフルビットで行っており、録音用として圧倒的に有利だ。
取り合えず簡易的に測定してみたところ遅延は40mmsecの固定となっているようで、何度か電源の入り切りをしても、その値は変らなかった。
40mmsecと言うのは最近のワイヤレスマイク(数ミリsec)のそれと比較して非常に大きい値と言えそうで、ハッキリと聴いて判るし、編集時に対策を必要とするものだが、いつも一定の値であれば、それに合わせて作業するだけなので比較的問題になりにくい。
何よりも、このDW-05が魅力的だったのは、Bluetoothでないデジタルワイヤレスに於て、低価格ながらも送信機がバッテリー内蔵の小型なものだと言う事だ。送信側は無改造で使用できる。
 
では、具体的にどうするか?幾つか考えてみた・・
一つは、ヘッドフォンは分解し、中の受信ユニットを抜き出し、別のケースに入れてそれらしい受信機を作ると言う方法。
この場合ヘッドフォンとして使用出来なくなるし、各スイッチやボリュームつまみ等に合わせたケースの設計・加工が必要となる。
もう一つの方法は、ヘッドフォンの構造はそのまま生かし、ドライバユニットに繋がる線から、信号を拝借してくる方法。これなら比較的簡単に実現出来る。
今回は後者で行く事とした。
 
早速分解してみたのが、この写真だ。
Dscf5081
ついでに裏もDscf5084
判りやすく、各ユニット向けに線がハンダ付けされているポイントが有る。
ここから線をパラって、外に出せば最低限の目的は達成出来るのだが、その場合、最終出力段のアンプがユニットをドライブする分、シグナルの暴れが起き、それがそのまま出力される事となる。より手前の段からシグナルを取れれば問題ないが、それより、ドライブユニットを切り離してしまった方が間違いない。
そこで、スイッチ付き3.5mmジャックを増設し、ケーブルが刺さっている際には、出力段直結のシグナルが取れるようにした。
ついでに、ユニット直結のジャックも儲け、配線は以下のようになった。
Dw05revc
そして取り付けたところ
Dscf5087
折角の無線ヘッドフォンが、線だらけになるのは笑える皮肉な結果だが、これはこれで色々活用出来そうだ。
 
1.普段は何もケーブルを差さずノーマルなDW-05として使用。
 
2.撮影現場では、最初のセッティング段階でステージマイクやPAからのラインなどへ、送信機のセッティング時にワイヤレスヘッドフォンとして、正しく音が来ているか?確認に使用。
 
3.レコーダーセッティング時、DW-05のOUT側端子からレコーダー入力に差し、ワイヤレスレコーディングがセット完了。
 
4.レコーダーからDW-05のIN側端子にもう一本線を繋ぎ、レコーダートータルのモニターとして使用。
 
つまり、この二つのジャックにより、ワイヤレスヘッドフォン・ワイヤレスレシーバー・有線ヘッドフォンの3種類の使い方ができるようになった訳だ。
本格的なデジタルワイヤレスとして考えると本稿のDW-05の応用は遅延が多すぎたり、足りない点も有る。しかし、基本的にはモニターヘッドフォンとして現場に持ち込み、いざと言う時にはトランスミッターとして転用出来ると考えると、なかなか便利なグッズになってくれた。
 
 

2014年8月24日 (日)

ZOOM H6実践向けに一工夫

ZOOM H6購入から数ヶ月が経ち、その間に何度か撮影現場に持ち出して実戦使用してきた。
改めて随分遅くなったレポートをまとめてみる。
 
良い点
  • 音が良い。
    XLR入力はクオリティも高く、S/NもEIN -120dBuと必要にして充分な値。
    付属マイクの音も繊細でバランスよく癖のない音が録れ、楽器との相性を選ばない。
    それ故、高品質の音が全てのトラックで録れる事となり、トータルでの完成度が高い物が確実に作れる。
    勿論、単体のマイクプリ等には、よりS/Nの良い物など存在するが、殆どのコンデンサーマイクがEINでは-110dBU〜-118dBU程度であるので、ダイナミックマイクで小さい音量の対象を狙うなどの意地悪をしない限り、このEIN -120dBuスペックで充分目的を達する。
     
  • XLR +4dBのラインが受けられる。
    PA卓からの+4dbを受ける為に、以前は自作した変換&アッテネーターケーブルでレコーダーの3.5mmステレオジャックに入れていた。ラインレベルなので音質的に問題になる事も無かったのだが、そもそも貧弱な3.5mmステレオケーブルが怪しげな変換で繋がったプラグを卓に差してもらうのは、初対面のPAさんにお願いし難いという点も有った。
    向こうもプロのお仕事なわけで、トラブルを起さない為にも卓に信用出来ないものを繋ぎたくは無い筈だ(こちらで正しい変換をしていても)。
    その点、明らかにXLR +4dbが受けられそうな出で立ちのZOOM H6を使い、ごく普通のXLRのケーブル2本を差しだせば、快く卓のラインアウトに繋いで貰える。現場では意外とこの様なストレスフリーが重要だったりもする。
     
  • 6トラックの有り難さ。
    それほど入力機材を持っていない私は、殆どのケースで、4トラック有れば事足りてしまう。それ故ZOOM H5で充分と言う考えも有った。
    しかし、実際現場で考えながらセッティングをする際、入力数に余裕が有る事から、面倒な事を考えなくて済むのは非常に有り難い。例えば、要らないとは思うけど、念のため5,6トラックに別のマイク差しておこう、等となるケースも多いのだが、それを仕方なく別のレコーダーに繋ぐ事を余儀なくされるのでは、そもそもマルチトラックの意味が無い。
     
  • 接続と操作系の相関が判りやすい。
    後述する通り、セッティングの方向に悩むデザインでは有るが、替わりに、どのボリュームやPADスイッチがどの入力に対するものか、あまりに判りやすい。
    本体裏側に6個の入力ジャックが有る様な機材なら、何処にどれを差したか覚えておく必要が有るが、ZOOM H6は、ケーブルの刺さっている場所と操作すべきつまみの相関が一目瞭然なのでミスのしようが無い。この安心感とストレスの無さは素晴らしい。
  •  
ちょっとした悩み・・
  • どういう向きでセッティングすれば良いのか悩む。
    ディスプレイが斜めに手前側に傾いているのは親切な設計だが、使いやすい回転つまみインプットボリュームは、真上を向いている。
    更に目盛りに対応する矢印は上側(つまり奥側)に表記され、本体真上に近い角度から見ないと確認出来ない。
    Dscf4703
    Dscf4705_2カメラの上にマイクを正面に向けてセッティングすると、インプットボリュームの数字を読む為に脚立に登る羽目にさえなる(経験済み)。
    これを回避する為に、矢印を下側に設け、ボリュームつまみの側面に数字を書いて欲しかった。
    取り合えず、自分で使うだけなら・・・と、目盛りシールをプリンタで作り、つまみに巻き付けてみた。
    Dscf4716
    これは非常に便利な改造と言え、手前側からでもかなり正確にレベルが読み取れる様になった。
    また、こうする事で、ウインドジャマー使用時も目盛りが読み取れると言うメリットも有る。
    Dscf4717
    このような改善は、オプションなどで部品を売るとか、変更サービスをメーカーでやってくれると有り難いのだが。
     
    上記の様な対策をしてみた訳だが、それよりも本当はXYマイクは取り外して延長ケーブル(50センチ程度でも良いので)で本体とは無関係な向きにセッティングできれば有り難い。
    勿論、他にいくらでも入力は有るので、付属マイクは使わずに、別に用意したマイクを使う事として、本体を自由な角度にセッティングすれば良いのだが、そう割り切るには、付属マイクの出来が良過ぎるのだ。
     
  • 三脚取付けネジ穴の出来が悪い。
    ZOOMはどうもこの三脚ネジ穴の設計が苦手のようで、本機も同様だった。Dscf4708
    樹脂製ボディに1/4インチネジ受けを埋め込むような作りになっているが、底面より0.8mm程スリーブが浮いている。これにより、回転方向の固定に底面のグリップが使えなくなる為、相当きつくネジを締める羽目になってしまう。これを避ける為1mm厚のゴムシートを周囲に貼ってみた。
    Dscf4709
    これによりある程度落ち着く様になったが、逆にこの状態で無理にネジを締めると、ネジを受けている金具を樹脂ボディから引き抜く力が強く発生し、壊す危険が有る為、あまりお勧めはしない。
まとめ
多少の不満は有るものの、総じて非常に満足度が高く、何よりも完成度が高く、実践的な安心感が素晴らしい。
・優秀なステレオマイク
・質の高い6chマイクプリ
・6トラックレコーダー
これらをそれぞれの要素で揃えても、各々がZOOM H6の本体価格を上回ってしまいそうで、このコストパフォーマンスの高さは画期的だ。
またそれ以上に、通常考え得る録音と言う目的に於いて、殆どこれ一台で済ます事が出来そうな、キャパシティの高さも本機の価値であろう。
 
 
追記・・・・
次に欲しくなるもの
ZOOM H5もこのH6のダウンサイズ版としての魅力が有るが、それよりもっと割り切った仕様で更なるダウンサイズを施した、2トラック版を出して欲しいと思う。H6の1/2程度のサイズで、同じマイクプリを内蔵して、2chながらもH6と全く同じクオリティの録音ができるのであれば、非常に重宝しそうだ。マイクカプセルもH6のものが差せるようになっていれば、サブ機として必須のものとなりそうだ。ZOOMさん、こういう展開も一度考えてみてくれませんか?

2014年6月22日 (日)

ZOOM H6 と GH4

実際には二週間ほど前の事では有るが、今更ながらZoom H6を購入したと言う話。
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GH4のインターフェースアダプターAG-YAGHGは、同期の問題もクリアされ、TCのやり取りや、422 10bit出力などのメリットも多いが、2chしか入らず値段も相当な物なので、至近に導入はしないと決断した。
それならばと、実践的な運用を踏まえZOOM H6導入決定となった次第だ。購入時すでにZOOM H5は正式発表されていたが、どうせなら6トラック欲しいし、H5発売当初は値段も接近するだろうからH6がお得と考えた訳だ。
 
ZOOM H1は、以前にも書いたRecスタート・ストップがリモコン化出来たので、挙動がカメラと同じで非常に扱いやすく気に入っていた。
これと同じ扱いが可能なZOOM H6は、非常に気になる存在だった訳だ。
Tascam DR60Dも非常に興味深い製品だったが、上記の様なカメラとの連繋が不可能なので残念ながら対象外となった。
 
 
H6は、リモコン端子もあり、そのプロトコルは海外サイトで既に解析されており、それと同様の信号をマイコンで送出すればコントロール可能である事は判っていた。しかし、それには安いとは言えそれ用にマイコンを購入して、制御プログラムを作り、そのマイコンを操作する入力処理や電源も考える必要が有る。
もっと簡単に出来ないかと考えた時、H1と同じ方法が思いついた。
勿論、ずっと高価なH6をバラしてスイッチ部分からケーブルを引き出すのは、流石に気が引ける。しかし、ずっと安価なリモコンをバラしてケーブルを引き出すのなら、気も楽だしリスクも少ない。
 
で、早速やってみた。
リモコンはZOOM H4n用の物(ZOOM RC4)を使用。Recスタートストップ、プレイ・ストップ、FF、RW、Volume(monitor)は、プロトコルが共通で完全互換だ。つまりRECチャンネルの切り替えができない点がH6用リモコンに劣るのみで、単体の為値段も安く(私はヨドバシでH6の値引き分としておまけしてもらえた)ケーブルも長く、延長ケーブルまで付属するので、こういった目的にはこのH4n用の方が適任とさえ思われる。
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リモコンをバラすと、Recボタンにアサインされているケーブルを繋ぐべき場所はあっさり見つかる。Dscf4657
H1の時より、ハンダ付けもケーブル引きだしも
ずっと容易で、あっさり作業は終了。
引き出したケーブルをショートさせるとRecスイッチのプッシュと同じ動作が間違いなく得られた。
Dscf4665_2
このケーブルにキャノン用等の、シャッターオン時にほぼショートとなるワイヤレスリモートレリーズ受信機を接続すれば、いきなりワイヤレスコントロールが実現する。
それ以外にも、先に作成したマルチカムリモコンを有線で繋いでも良い。
これでめでたく、GH4とZOOM H6の同時制御システムが完成した。
 
 
さて、これをいきなり実践投入してみたのは、ピアノ弾き語りのシンガーソングライターのライブ収録だった。
 
カメラは今回は控えめにメインのGH4とサブのG6を使用。
(写真はイメージです・笑)
(NTG2とH6を繋ぐL字XLRショートケーブルは自作)
Dscf4677_2
ZOOM H6は、
1,2トラックは付属XYマイク
3,4トラックはROOD NTG2*2
5,6トラックはPA卓からのライン音声
以上の構成。
これらの、レベル調整が、つまみをクルクル回して、あっという間に片づいてしまう作業性の良さには驚かされた。高機能の割に、使い勝手の洗練度が高く、実践的な設計がされている。
勿論リモートは、前述のリモコン改造を生かし、手元で複数のカメラもH6も一発操作と言う快適さだ。
 
収録されたデータを持ち帰り、確認してみた結論として・・・。
 
・H6付属のXYマイクの音は非常に優秀。低音から高音までバランスが良く、癖がなく非常に扱いやすい(今回は環境音としてミックスして使用)
 
・NTG2からの音は、指向性の効果なのか付属マイクより若干プレゼンス感が勝る物の、低音から高音への音楽的なバランスは付属マイクに微妙に劣る為今回は未使用(通常のパフォーマンスなどの収録ではこちらの方が有利だが)。
 
・PA卓からのライン音声は当たり前だが非常にクリア、ノイズも無く残響感を抑えたかった楽曲の傾向に合わせ、今回はこちらメインで使用。
 
・FCPXのタイムラインに載せたところ、GH4 G6等のカメラとタイミングがずれる事も殆ど無かったので、位置合わせのみで解決。
 
あっさりと、非常に実践的に有効に使えてしまった。
何よりも、録り得る音を全てマルチで録り、後で好きなバランスにチョイス出来る快適さは捨て難い。
勿論、このH6自体の大きさ重さの問題も有り、音収録に重きを置かない撮影では、身軽にH1のみで撮影に臨んだりもする。
しかし、しっかりと音収録したい際のH6の安心感は大きい。
 
 
ちなみに・・・・
そのタイムライン上での調整と言う意味で、手持ちの各カメラ・オーディオレコーダーのズレを調べてみた。
カメラ・レコーダーを長回しし、スタートとストップ時のカチンコ(携帯灰皿で代用)との同期を見る簡単なテストだ。
50分ほど回したところ・・・
 
LUMIX GH4基準
LUMIX GH2 1frame short
LUMIX G6 0.5frame short
ZOOM H1 0.7frame long
ZOOM H6 0.2frame long
DR07mkII 9frame long
Sanyo PS401 0.7frame short
(2014.06.23修正)
 
と言う結果だった30分以内の収録ならDR07mkII以外は無調整で行ける事が判った。
 
このテストで一つ気になる別の事が見つかった。
LUMIX G6は、長さはジャストが来るのだが、そもそも絵と音が同期していない。3frame程後に音が来るのだ!
以前からこの辺りが変だとは感じていて、絵合わせで同期を調整していたのだが、改めて良く調べてみてこの3frameという豪快なズレっぷりに少々驚かされた。
勿論、DR07mkIIの9frame longと言う結果も画期的では有るが。
個体差もあるかと思うし、温度などにより狂う事も有るのであくまでも参考にすぎないが、この辺りは、コスト競争下の民生機の限界とも言えるのかも知れない。その点GH2 GH4 ZOOM H6 (何故かH1 PS401も)は誤差許容値と言う事で安心出来る。
 意外な点も見つかりやすい民生機でも、この様に調べて使えば、それなりに使いこなしようも見えてくる訳で、低コストながらもアイディアと工夫次第でハイレベルな撮影ができると前向きに捉える事とした。
2014.06.23追記
基準としたGH4の時間精度を確認すべく、50分間時計を撮影してズレを確認したところ、秒針が動くタイミングが50分後にほぼ同じフレームで捉えられており、50分で1/2フレーム以下の誤差精度で有る事が確認出来た。
 

2014年5月17日 (土)

GH4 本体オーディ入力の実力

GH4には、外部拡張ユニットAG-YAGHGがあり、SDI出力も外部タイムコード入力も、更にはファンタム付きでラインレベル対応XLR入力可能になるので、本格的な映像制作でのニーズは、そちらをご利用下さい、というのがパナソニックの提案であろう。
民生レベルのGH4にこのユニットを追加するだけで業務レベルに必要な機能が網羅されるスタイルは、革新的だし、親切な思想と思う。
しかし、少々お値段が(21万円)張るのと、そこまで無くともかなりの部分をこなせるGH4単独でも問題ないケースが多いので、購入に踏み切リ難い。
 
その中でも取り合えず、本体の3.5mmジャックからの入力でどの程度の音声が録れるのか?ここは非常に気になるポイントとなる。
GH4からマイクレベル設定は、dB表示となる本格派なので、これは期待出来そうとテストに臨んだ次第だ。
 
テストの方法は、
A.-58.5dBvの1khzサイン波を入力し、
 その信号の記録レベルからゲインを算出。
B.その際の無入力部のノイズレベルを計測しノイズレベルを算出。
C.ピンクノイズを入力し出力をスペクトルアナライザで確認。
 
以上の方法を下記の設定のそれぞれに行った。
 
結果を表記すると(Gainは0db相当のdBv Noise は入力換算dBv)
1.自作マイクプリ36dB Gain→MacProライン入力(->soundTrackPro)
 Gain -30.5dBv Noise -117dBv (MacPro側のイズの影響有り)
2.TascamDR07mkll 入力レベル80(参考)
 Gain -40.3dBv Noise -110dBv
3.GH2 入力レベルmin(理由は後述)
 Gain -42dBv Noise -118dBv
4.G6
 入力レベル 0
 Gain -27.1dBv Noise -103dBv
 入力レベル 10
 Gain -36dBv Noise -108dBv
 入力レベル 19
 Gain -45dBv Noise -110dBv
5.GH4  -6dB 0dB +6dB
 入力レベル -12dB
 Gain -27.3dBv Noise -103dBv
 入力レベル -6dB
 Gain -33.2dBv Noise -105dBv
 入力レベル 0dB
 Gain -38.9dBv Noise -107dBv
 入力レベル +6dB
 Gain -45dBv Noise -107dBv
6.ZoomH1(Level16)+自作マイクプリ36dB
 Gain -38dBv Noise -121dBv  
となった。
 
まず、ゲインはGH2は異常に高く、普通よほどの事が無ければ必要ないはずの-42dBvが最低ゲインとなっている(その為、音量のあるソースにはアッテネーターつきマイクが必須となっていた)。対し、G6 GH4は程良いところに変更されているのが判る。
(DR-07mkll等のレコーダーは、Gain 0dBv~-45dBv程度)
SNはGH2が異常なハイゲインなのに、非常に低ノイズ(過去にもレポートした通り)だったのだが、G6 GH4は普通のSNに留まっている。
更に、GH4は、G6とよりノイズが若干多く、ノイズ自体も普通のサーと言うものでは無くヘリコプターが飛んでいる様なプルプルプルと言う変な音で、
既に海外では問題視され、話題になっているようだ。
 
スペクトルアナライザの結果にも興味深いところが見受けられた。
・オリジナル音源
Org
・MicPre->MacPro
Pre
・GH2
Gh2
・G6
G6
・GH4 +6dB
Gh46_2
・GH4 -12dB +MicPre
Gh412pre
(表示を似せるためにトータルゲインは調整している)
 
上記から判るのは
・GH2とG6は、ばっさりと16kHzで切られている
・GH2 G6 GH4(-12dB)どれもある程度ローカットされている
・GH4 +6dBは、驚くほどローカットされている
(勿論、風音軽減等は全てオフ)
となった。
 
いわゆる環境雑音や人の話し声程度(セリフと言う意味では無く)程度ならそこそこ録れるとも思えるが、音楽等の収録にはGH4でもと言うよりむしろGH4こそ厳しそうだ。
特に、+6dB時のローカットと、プルプルプルノイズは、頂けない。
取り合えず、GH4は、最低ゲインで使用する事が多少の回避策になる。ならば、ゲインが必要ならプリアンプを使う事が必須となりそうだが、それにはもう少しゲインが低ければ使いやすかった。
マイク入力部のヘッドルームの都合から難しいのかも知れないが、3.5mmジャックでも構わないのでラインレベルに対応してくれていれば、ずっと応用範囲が広がり使いやすかった筈だと悔まれる。
数千円程度のICレコーダーでも殆どラインレベル(業務の+4では無いが)に対応しており、それならミキサーやプリアンプからの入力をアッテネーター無しで入力出来るのだが、これと同じ事がカメラだと出来ない理由が思いつかない。

2013年6月 2日 (日)

Zoom H1改造 RECリモコン追加とマイクユニット交換

ZOOM H1は、動画撮影時の収音機として、その小型さと手軽さでなかなか重宝している。しかし、こんな簡単なレコーダーひとつでも、慌ただしいワンマン撮影時に、カメラと合わせて録音スタート・ストップを着実に行うには、煩わしさが伴う。
重宝ついでに、カメラとの同時起動、つまりREC&STOPを一つの操作できれば有り難い。何とかならないものかと、リモコン対応するレコーダーの購入も視野に入れて以前から色々と検討していたところ、思い切ってZoom H1を改造してしまった方が早いと考えた。少々無謀な改造にはなるが試してみる価値は有りそうだ。
 
そもそもZoomH1はリモコン対応していないので、本体の内部から無理やり線を引き出すより無い。先ずは分解して中を調べてみる。
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ネジ3本(一本はシリアルナンバーのシールの下)外し、隙間に爪をかけて慎重に引っ張ればあっさりと内部にアクセス出来る。
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メインの基板は2枚をコネクターで繋ぐ構成になっていて、先ずは手前側の基板を慎重に引き上げ、下側の基板もスイッチ類との干渉に気をつけながら引き出せば、意外と簡単に完全分解状態となる。
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Recスタートのボタンは、リモコン等によく使われている導電ゴムを基板に押し当てるタイプで、その接点の周りに、基板裏に繋ぐ為の小さなランドが有る。
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このスイッチ機能を外に出すには、このランドに線を繋ぐより手は無さそうだ。ランドの銅を露出すべくコートをカッターで新調に削り、まずはここをショートさせるだけで本当にRecスタートが作動するか確認する。
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この部分には下側に+0.7V程度の電圧がきているようで、試しに20KΩから2KΩまで色々な値の抵抗値でショートさせてみたところ、どの値でも作動する事が確認できた。逆にボタン側の導電ゴムの抵抗値を計ってみたところ、2kΩから500Ω程度まで計る距離によって変化した。この様子から適当な抵抗値でショートさせるのと同等の回路を用意すれば問題なさそうだ。ならば、以前作製したGH2用のマルチリモコンを少々改造するだけで使える。GH2用には、オフ時に40kΩの抵抗値でリモコンの接続を認識させているが、一つのチャンネルだけそれを外し、半押し用の経路も外し、Recボタンで単に2kΩのオンオフを行うZoom H1仕様に変更した。
基板に導線を取り付けるのは、非常に細かい作業で、神経を使わされたが何とか、ハンダ付けする事ができた。
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これの引き出しは、本体の導電ゴムスイッチの動作を邪魔しないよう、上下に上手くよけながら、至近のボディ横に穴を開けそこから引き出す。このスイッチの周りには、高さ3ミリ程度隙間が有り、ギリギリコネクターを付ける事も不可能では無さそうなスペースなのだが、作業の難易度が高そうなのと、常にケーブルぶら下げでもさして問題なかろうかと思い簡単にそのまま直出しとした。
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ついでに内蔵マイクユニットも見てみる。
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特にこのユニットに不満が有る訳でも無いが、折角なので、フォーリーフのUEB5261を2線仕様にしたものと交換してみた。直径は一緒だが、高さが微妙に違う為ユニットを固定するスリーブがそのままではロックされないので、テープを巻いてごまかしてみた。この部分は、負荷がかかる事もあり得ないので問題ないようだ。バラック状態でリモコンとマイクユニットの動作を確認し、先の導線が中で悪さをしないよう慎重に組み直して完成となった。
 
これにより、一つのリモコンユニットで、GH2を複数台とZoomH1が同時にRecスタートRecストップできる事となった。
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この手法を取っても、映像と音のスタートが完全に一致する訳では無いので、編集時にFinalCutProの機能を使い同期をさせる必要が有るのは変らない。しかし、ほぼ同じ尺のデータが、揃って並ぶようになるので圧倒的に編集作業は楽になる。
他に、1カメ2カメの距離が遠い場合はどうするか?等と状況によってはこのままの物で済まない事もあり得るだろう。しかし、取り合えずワンマン撮影の省力化、確実化と編集時の作業性向上を踏まえれば、非常に大きな一歩となった。何よりも、この様な思い切った改造も躊躇なく出来るのはZoom H1の低価格のおかげだし、デジカメと同様のワンボタン操作系であることも重要なポイントだ。やはりデジカメ動画の収音にZoom H1は非常に有り難い貴重な存在だ。
 
その後色々と調べたところ海外のサイトで、Zoom H4nとCanon60Dを一括操作出来るようにリモコンを作製している人の記事を見つけた。Zoom H4nのリモコンの制御信号は、少ない本数の結線でいくつもの動作モードを制御すべく、デジタルのデータ通信となっていて、これを動作させるにはマイコンICに動作を焼き込む必要が有りハードルが高い。他にも似たような制御プロトコルとしてSONY等のビデオカメラに採用されているLANCがあり、これの制御回路を自作する人など、リモコン関連で色々と挑戦している人たちは多いようだ。裏を返せば、リモコン制御の方法が各社まちまちで、気の利いたリモコン機材があまり提供されていない不自由な状況に、皆さん苦戦しているとも言えよう。
 

2013年2月19日 (火)

Zoom H1

全く持って、今更ながらZoom H1 (ver2)を買ってしまった。
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似たような物としてTascam DR-07mkIIを持っていて、録れる音に十分満足している筈なのにだ。
実際、内蔵マイクで録り較べてみると、Zoom H1よりDR-07mkIIの方が繊細な音が録れる事が、購入してみて判ったが、それもほぼ予想通りだった。
では何故、Zoom H1なのかと言うと、リグなどに取り付け、外部入力のレコーダーとして使用した際にはこちらの方が、小型でハンドリングが良さそうだったからだ。
最近時折行うジャズのライブ撮影などの際、自作した外部マイクに、これまた自作したプリアンプをかまして収録していたのだが、その受けはSANYO PS401RNを使用していた。DR-07mkIIは、単独でバックアップとして内蔵マイク収録をさせていたからだ。流石に48k 16bit止まりのPS401をメインに使うのは忍びないので、これの後継としてZoom H1となった訳だ。何しろ1万円を大きく下回る値段は、機材と言うよりリグに付ける部品に近い領域なので必要と有らば躊躇する理由は無い。
 
 
レビュー的な意味も含めZoom H1について
  • 使い勝手
    「電源オン=録音スタンバイ」これが他のレコーダーと大きく違うところだ。DR07-mkIIを含む殆どのレコーダーは、起動後に録音ボタン一度押しで、録音スタンバイ。もう一度押すと録音開始、となるが、Zoom H1は電源入れて、録音ボタン一度押しで録音開始となる。他のレコーダーは録音の停止にストップボタンを使用すると(カット毎に別ファイルにする為に必要)次は二度押しが必要となるが、Zoom H1は、録音ボタンを一度づつ押して、録音<->スタンバイを繰り返し別ファイルを作ってくれる。これはデジタルカメラなどと同じ動作となるので、現場で押し忘れと言うミスを大幅に防げ、混乱を軽減する。この事だけでも敢えてZoom H1を選ぶメリットが有る。もっとも、再生モードに入ってしまうと抜けるのに録音ボタンを押す必要が有るので、そこだけは注意が必要だが。
    他に、設定などがシンプルで皆スイッチで切り替えるので一目で現在の設定が把握出来ミスが少なくなる点も現場向きだ。
     
  • サイズ重量
    詳しい寸法は、メーカーの仕様に譲るが、DR-07mkIIと較べ大きさ重さも約半分と言う感じだ。単独で使用する際にはあまり気にならない差だが、小柄なGH2の周辺に取り付ける際には大きな違いとなる。リグに付けたちょっとしたリモコンの様な感覚だ。
     
  • 外部入力
    ヘッドアンプ自体のSNは悪くないようではあるが、録音を開始するとボッボッボッと言うノイズが入る。無接続のプラグを入力端子に挿しても発生するので内部的に発生するノイズの様だ。フォーマットを変更するとそのピッチが変るところから、カード書き込みに関するノイズが回り込んでいると思われる。個体差や不良品の可能性も有るので断言出来ないが、当面はマイクプリで増幅したラインレベルを録音する専用機となりそうだ。
     
  • 三脚ネジ穴
    ネットでも多く見かける通り三脚ネジ穴の出来が悪い。最初はネジ一回転分程度しか入らず驚いたが、無理やり金属のネジをねじ込んで何度か繰り返すうちに普通に使えるようになった。多少の渋さは、樹脂のネジ部なので仕方ないと言えるが、これは多少とは言えないレベルと感じた。
     
  • 内蔵マイク
    決して悪くは無い、普通に十分高音質な録音が出来る。音質は比較的大人し目の柔らかい音だが自然で聴きやすい。セリフなどより楽器演奏に合いそうな印象だ。指向性は上手くチューニングされているようでステレオ感も定位感も良いバランスだ。
     
  • タッチノイズ
    内蔵マイク録音状態で本体を叩くとゴーンゴーンと共振音が響く。内蔵マイクはあまり使用しない予定に有ったが、これは少々気になる。取り合えずボディ上面にゴムを張ってみたが殆ど効果なし。ならばマイクユニット部を、と思い、本LRのマイクユニットの先端近辺に防震ゴムを差し込んでみたところ、ビンゴ!どうもこの樹脂製のマイクホルダー部の取付け強度に難があるらしく、これが盛大に共振しているらしい。これを押さえる事で随分無駄な響きがなくなり聴きやすくなった。
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  • シューマウント
    1/4インチ三脚ネジ穴が基本的な取付け手段となる訳だが、出来の悪いネジ穴を利用しての現場での頻繁な付け外しはストレスの原因となるのは明白だ。早速シューマウントを取り付ける。純正オプションも有るようだが、よりコンパクトになる物が手持ちに有ったのでそれを活用した。リグ搭載時には、内蔵マイクは使わない予定なので、ここにサスペンションは介させず直付けとする。これにより、非常にコンパクトに収まるようになる。
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  • ZoomH1まとめ
    サイズ・価格・使い勝手(特に現場での確実性)に於て、なかなかデジイチムービーの同録機としてふさわしい機種である事が判った。なるほど多くの人がこれをその様な目的に購入しているのも頷ける。但し、目的を限定しないといわゆる入門機らしい制約にぶつかってしまうのも事実だ。細かいところを改善させ多少コストアップになっても構わないので、よりこの動画用レコーダーとして特化したものをリリースして欲しいとも思える。より指向性を高めたり、SNを向上させたり、リモコンが使用可能であったりしてくれれば最高だ。勿論より多くを望む人は上位機種をというのは有るが、値段以上に大きさ重さが二の足を踏ませてしまう。
 
関連して
  • サスペンションマウント
    今回はこのZoom H1用と言うより、シューマウント系のマイクなど色々と使えるようにとサスペンションアダプターを急きょ簡単に作ってみた。シューマウントのオスからメスの間にゴムバンドによるサスペンション構造とした。
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    これにより潔くH1はシューマウント直付けと出来た訳だ。作るのは簡単では有るが、見映えの問題も有るので、どこかのメーカーでこれと同様のものを市販してくれないものかとつくづく思う。かろうじて近いものにRycoteポータブルレコーダーサスペンションなるものが出ているが少々かさばり具合が気になる。
     
  • シューマウント部品
    ちなみに、前述のシューマウント化する部品だが、サンテック SPミニボールヘッドシューと言う物を購入している。しっかりしたボールヘッドがついているのだが、外して別々に使えるのだ。小型のボールヘッドはいくら有っても足りない位なので、これを買って分けて使っている。ちなみにシューマウント部は、別に1/4インチのナットなどが必要とはなる。
     
  • ポータブルレコーダーなどのSN
    本格的な測定機材が有る訳でも無いので、おおよその目安に過ぎないが、幾つか手元の機材のSNを調べてみた。
    方法はiPodからアッテネーター経由で一定の1kHzのサイン波を出し、それを録音又は増幅させる。それをSoundTrackProにプラグインさせたVoxengoのSpanのRMS表示させ、サイン波のレベルからゲインを算出し無音部との比較でSNを計測した。
    尚比較がややこしいので0dbVからの入力換算ノイズのみとする(A weightは無視)。
     
  • 自作マイクプリアンプ OPA2134一段構成 -112db
  • 自作マイクプリアンプ JRC2043二段構成 -118db
  • TascamDR-07mkII -105db
  • SANYO PS401RM -102db
  • Zoom H1 -91db(microSD)
  • Zoom H1 -104db(USB)
  • Lumix GH2 -116db
     
    以上のようになった。
    Zoom H1(microSD)の-91dbは、例のボーティング系のデジタルノイズが足を引っ張っているようで、USB接続時には問題ない。この手の爆音ライブ対応の音楽用低価格ハンディレコーダーは耐入力が高い替わりに小音量時のSNにはあまり注力されていない印象だ。この辺りは割り切って必要な状況に応じてSNの良いマイクプリで補って行くのが妥当であろう。
     
    意外な結果に驚いたのがGH2の-116dbという自作マイクプリにも劣らない値だ。過去にGH2のマイクプリの性能はたいした事は無いと書いた記憶が有るが、間違いだった。極めて小入力に強い高品質なマイクプリだと言える。しかし、このGH2のマイク入力は逆に入力耐性が低く、ちょっとしたレベルの入力でリミッターの調整域を超えてクリップしてしまう。最低感度に設定しても他のレコーダーの最高感度と同等程度にしか感度が下がらず、これが扱い難さを招いている。また収録された音声の周波数分布を観ると16kHz近辺でばっさりと切られそれ以上は20db以上下がっている。人の声などの収録には向いていると言えるが、音楽などには不向きな仕様だ。
 
業務用レベルの高価な機材をこの辺りに導入すれば、悩みは一発で解決する。しかし、GH2の価格を考えればアンバランスだ。
こうして、安価な機材を上手く使い回して、業務レベルのクオリティを狙うのもこのジャンルの面白さの一面かも知れない。
 
※20130222追記
外部入力にてカード書き込みらしきボッボッボッというノイズが入る件について、メーカーに問い合わせしたところ、個体不良では無くやはりカード書き込みノイズの混入との回答が得られた。また、録音レベルを最大にするような使い方はあまり推奨しないとも書かれていた。その後再テストを行ったところカードをトランセンドのmicro SDHC 8GB class6からパナソニックのmicro SDHC 8GB class10に変更したらノイズレベルが5db程下がりノイズの音質も低音のみに変り聴感上はかなり改善された。このノイズが気になる場合はカードを変えてみる事をお勧めする。

※20130407再追記
更にその後色々と試し、モバイルバッテリーなどの外部電源を接続すれば、ほぼ問題ないレベルまでこのノイズを押さえ込む事が可能だと判った。
H1内部で単三電池一本の電圧を昇圧して、使用していると思われるが、その辺りに余裕がなく、電力を食うカード書き込みに大きな影響を受けて、ノイズが発生しているのでは無いかと推測される。内部を改造してコンデンサーを追加する等の方法で解決する事も不可能では無いが、現実的では無い。小型で安価なUSBモバイルバッテリーなどを購入し、シビアな録音時は電源供給をそれに依存する事が得策と思われる。

この低音ノイズは、現場での簡易なモニタリングでは気がつき難く、後でローカット処理をするハメになる。低感度で低音もしっかり拾える外部マイク使用時が最も影響を受けやすい(逆にそうでなければあまり問題になり難い)。このケースがあり得るのなら外部バッテリーは必須とも言えそうだ。

2012年8月20日 (月)

単一指向性XYステレオマイクの自作(プリモ製ユニット使用)

相変わらずのマイク製作、それも新作の話。
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以前から欲しかったプリモ製マイクユニットを遂に入手した(入手経路は事情により掲載不可)。この手の定番とも言える直径10mmの単一指向性ユニットだ。
これにより、単体の市販のマイクより良い音で録れると好評の昨今のハンディレコーダーと同等のマイクが作れる事となる。
ならば、少々気合いを入れて外装を作ろうと頑張ってみた。

◆制作
これまでは、3.5mmプラグやRCAピンプラグのメタル製の筒の部分等を流用してきたが、どうせ大幅に加工してしまうのなら、金属素材から作った方が早かろうと、東急ハンズでアルミ素材を集め、それを元に自由に設計する事にした。

加工が少々面倒に有る事が予想されたので、これに合わせ卓上ボール盤とそれに合わせるプロクソンのマイクロ・クロステーブル等も新調した。これにより、穴開けは勿論、エンドミルやカッターを使いちょっとしたフライス加工的な事も可能になり、制作の守備範囲が大幅に拡大する。
10万程度する小型のフライスマシンや旋盤などは、置き場所も無いし、手を出し辛いが、合わせて2万程度のこのセットはコンパクトだし、コストパフォーマンスも悪くない。
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外径13mm肉厚1mmのアルミパイプに指向性確保用の2mmの穴を2.5mm間隔20個程開け基本ボディとした。
デジタル角度計をパイプの後ろにつけ、36度ずつ回転させながら、ボール盤による穴開けを行う。目印を頼りに手持ちのドリルで開けた時と較べ作業性も精度も雲泥の差だ。
フロントは、ステンレス40メッシュをハサミで丸く切り、10mmのアルミ丸棒に押し当てて角を固いもので叩いて曲げただけだ。意外と簡単にこの様なフロントメッシュは作れる。
裏側は、10mmのアルミ丸棒をカットしたものを0.5mm厚のアルミ版をスペーサー替わりにして押し込んだ。
旋盤は無いので(有ればもっと高度な加工を初めからしているが)ドリルに10mmのアルミ丸棒をくわえさせ(ボール盤はチャックが6ミリまで)テープでパイプの内径に合うように調整し、パイプを差し込み回転させる。
極細のやすりをゆっくりとずらしながら当てて行けば、旋盤に近いヘアライン仕上げが作れ、最後にスチールウールで磨きをかければ写真の様な仕上げが容易に出来る。
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マイクユニットは、イヤホンのパッドのシリコンを巻いてそのままボディ内に押し込む。
今回は、直球勝負で、アッテネーター等も作らず、そのまんまユニット直結の3.5mmステレオプラグ直出しのマイクとしている。
ついでに、XYステレオ収録用のアームとマイクホルダーを自作し(もっともこちらの方が時間が掛かった)、取り合えず完成となった。

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◆雑感
バタバタした屋外ロケなどには不向きなデリケートな構造となってしまったので、その様なシーンでは過去に作製した髭剃り型のアッテネーター付きマイクを使用する(ユニットは今回のものと同じプリモ製のものに替えてみた)。
今回のマイクは、室内でクオリティを要求される音楽収録などの際に、以前作製したマイクプリと合わせ使用する。言わば勝負マイクとしての存在となる。

音は、今回のハウジングが特に悪さはせず、ユニットの素性をそのまま引き出せたようで、文句なしのクオリティを出す事が出来た。
低音も十分拾い、癖の無い音楽収録に合う、聴いて気持ちの良い臨場感の有る音が録れる様だ。

Tascam DR07mkIIは、音楽的な音の素性が素晴らしい。実際色々と録り較べても、未だにこれは首位を保っていると個人的に思っている(これもユニットを覗き込むとプリモ製のユニットである事が確認出来る)。このレコーダーの音の良さが、私をここまでマニアックな世界に引きずり込んだといっても過言でない。
しかし、Tascam DR07mkIIは、残念ながらプリアンプのSNだけはベストとは言えない(コストを考えれば当然だが)。音源の音量が十分であれば全く問題ないが、小音量の対象では、この弱点が露呈する。これを回避する為にローノイズのプリアンプを自作して来たわけだが、それを生かす同等の性能のマイクユニットの入手が課題となっていた訳だ。
今回のマイクはこれらの悩みを一気に解決してくれ、小音量の繊細な音も余裕を持って安心して収録出来る事が可能となった。一般にこの手の小音量収録時のノイズ対策には、高価なXLRバランス出力のマイクと、高品質なプリを持つ高価な業務用レコーダーが必要になっていた訳だが、比較的低コストな今回の方法でこの範疇に十分対応出来る訳だ。一般的にお勧め出来るようなものでは無いが、一つの非常に有効な方法と思われた。



2012年6月17日 (日)

小ネタ集 Blue Spark他

またまた、音関係小ネタ集

・iPodライン入力ドックコネクタアダプタ
今更ではあるけど、iPodなどに使われる30pinドックコネクタにライン入力を可能にするアダプタをこしらえてみた。だいぶ前にネット上でも多くの人が挑戦していたものだ。
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http://pinouts.ru/PortableDevices/ipod_pinout.shtml このアドレスのページなどを参考に、千石電商で買ってきた30pinコネクタの1.5.6番ピンに、ケーブルを接続し反対側にジャックを付けただけの簡単なものだ。iPod nanoでは使えたが、残念ながらiPhone3Gでは認識されなかった。iPodのボイスメモでは、レンジが狭くなってしまうようで、あまり意味を成さなかった。使わなくなった古いiPhone3Gの活用にと期待したが、iPhoneで認識させる方法をネットでくまなく探しても見つけられなかった。
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・WM-61Aバイノーラル録音マイク
知人から、3D録音に興味があると言われ、そう言えばネットでWM-61Aを使用したバイノーラルマイクの記事を思いだした。簡単に出来る割に試してなかったと気がつき、ちょろっとこしらえてみた次第。
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100均でカナル型のイヤホンを購入し、分解して中のユニットを取り出し、替わりに外側に向けてWM-61Aを取り付け、グルーガンで中を埋めた。勿論、音は聞けない。
30年位前の生録ブームとやらの時に地味に流行し、当時ちょこっと試した事もある懐かしい手法だ。それが近年随分と簡単にハイクオリティに出来るようになった訳だ。もっともこの手法の弱点である、前方には定位し難いという部分は未だ解決していないので、そこをどう補うかの課題は残っている。
試験的にGH2にOlympus12mmを付けて街の様子を撮ってきてみた。一つ問題に気がついたが、撮影時に顔(マイクとしたの頭)を動かすわけに行かないので、ノーファインダーの撮影となるし、撮影している様はちょっと変な人のようになってしまう。その為、絵は不安定で雑な物となってしまう。(三脚を使えば良いわけだが。)

 
 
・Blue Spark コンデンサーマイク
いよいよ映像屋の音録りには、ここまでいるか?疑問となる領域だが、知り合いのミュージシャンに勧められて、というよりデザインに惹かれ買ってしまったのは、Blue社のマイクSparkだ。ボーカルなど音楽のレコーディングで最近評判の高いBlue社のエントリーモデルとの事だが、なかなか優秀で結構本格的なレコーディングにも対応出来るらしい。
他の購入者のブログなどでも、お約束のように箱出しの様子が紹介されているが、やはりここはどうしても写真に納めてしまう。音楽系の機材は、デザイン的にも優れている物が多く、写真・映像を手がけるものとして少々羨ましい。
先日の記事に書いた、Focusriteのオーディオインターフェースと合わせ、かなりのクオリティの音が録れる様だ。もっとも正直利用頻度が高くなることはなさそうだが、iPadと組み合わせて持ち出せるアフレコ・ナレーション録り機材として、なかなか美しくまとまってくれた。

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2012年6月 5日 (火)

Focusrite Scarlett 2i2 と iPad

買ってみた。
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USBオーディオインターフェース Focusrite Scarlett 2i2 これはもはや一般的に映像用の音声機材では無く、DTMの世界の物だ。
もう自分でも何を目指しているのか判らなくなりつつあるが、まあこれを使って、セリフのアフレコやナレーションの収録等には役立つだろうと無理に理由づけている。
このジャンルの製品も異様な価格破壊を呈していて、老舗の専門的なスタジオ機材メーカーがこぞってエントリー向けの低価格製品を出し、活気あふれている。色々と、音声収録関連の機材を調べていると、この辺が目に入ってくるわけで、正直デザインとブランドで買ってしまった(と言っても12800円)。

どう生かすか?と考え、真っ先に思いつくのがiPadとの連携となり、先の写真の通りとなった。
USBバスパワーで動作するオーディオインターフェースの類いが「iPadカメラコネクションキット」で使用可能なケースが多い事は知られており、あまり国内でネット上の情報が無かった本機種も、かろうじて海外サイトの掲示板で成功事例が一つ見つかった。信憑性の薄い情報ゆえ人柱覚悟のイチカバチカでのトライしであったが、結局のところは無事成功した。

先ず、消費電力が大きい為、そのままカメラコネクションキット直結では、「・・消費電力が大き過ぎます」と警告が出る。
バスパワー給電可能なUSBハブを経由させることでその問題を回避出来るが、普通にはそのハブにACアダプターが必要となる。
そこで、さらにエネループモバイルブースターでUSBハブに給電して、モバイルシステムの完成となるわけだ。少々ややこしい組み合わせだが、応用の効く物の組み合わせなので、無駄にはならないであろう。
確認したところ、iPadに入れていた音系のソフト全てで問題なく機能しており、モニターもScarlett 2i2側で可能となる。これはデジタル接続なので、本体のヘッドフォン端子より高音質が引きだせるメリットもある。
もっともスマートにこの様な事を実現出来るTascamのiU2と言う製品もあり、普通の人はそちらを買うと思うしそれが正解と思うが、敢えて今回はマイクプリの性能に期待して、その部分に信頼のあるFocusriteにチャレンジしてみた。
未だ、これを本気で生かす為のコンデンサーマイク(XLR仕様)を買ってないので(XLR仕様の現有はSM57のみ)システムは未完成となるので、マイクを何にしようか楽しみつつ迷い中だ。

マニアックついでにもう一つ・・・
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見た目は、今流行のヘッドフォンアンプだが、中身はその逆のマイクアンプだ(中身も似たような物だが)。
写真の様に、ピンマイクをブルートゥースに入力出来るレベルに増幅する為にも使えるが、小音量の対象の収録時に、マイクアンプのSNがいまひとつのDR07mkIIの弱点を救うのがメインの目的だ。
内部は、自作の回路で、オペアンプLME49720NA(2回路入り)を贅沢に二つ使い、2段階で増幅する事でローノイズ化を図っている。簡単な計測ではあるが入力換算ノイズレベルは126dBV程度に達しているようで、DR07mkIIより大幅にローノイズだ。

もっともこれも、普通はそういう目的に市販されているオーディオテクニカのAT-MA2を買うのが正解だ。AT-MA2は4280円と格安なのに120dBVと十分にローノイズで、一つ持っておくと何かと便利だ。欠点が一つ有り、ACアダプタ専用機なのだ。しかし9Vで消費電力も少ないので、9V電池を無理やり繋げば問題なく屋外でも使用可能となる。

で、それもやってみた(つまりこれも買った・笑)。
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