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2014年11月24日 (月)

AZDEN MOTO DW-05 改造

色々と目論みもあり、デジタルワイヤレスヘッドフォンAZDEN MOTO DW-05を購入してみた。
Dscf5080
まずは、普通にワイヤレスヘッドフォンとしてのレビューから・・・
小型軽量な送信機は、USB端子から内蔵リチウムバッテリーに充電するタイプとなっており、電源スイッチと電波の出力切り替え程度しかない大変シンプルなものだ。
これの3.5mmステレオジャックにヘッドフォン端子などから付属のケーブルなどで接続する。
ヘッドフォン側は、左側には単4電池2本を収納、右側はメインユニットを内蔵し各種スイッチがある。ワイヤレスとしては軽量でバランスよく出来ている。
ペアリングなどは出荷時に済んでいるようで、送・受信機それぞれの電源を入れ、接続したiPod等を再生にするだけで、すぐ音が聴ける状態となる。
音質は、まず普通に音楽を聴く範囲に於いて、ワイヤレスである事に気が付くような変化は全く感じられない。
ヘッドフォンとしての音の傾向としては、若干中域メインな印象で、落ち着いた音作りだ。特に素晴らしいと言う事も無いが、充分及第点に達していると思われる。
通信距離は、カタログに見通し10m〜30mと書かれている。鉄筋コンクリートの遮蔽物を含む12m程度の我が家内の最も意地悪なテストに於いて、あっけなく電波は途絶えた。もっとも、通常の使用や、見通しの確保しやすい現場などでは充分実用に耐えるであろう。
 
さて、ここからが本番、
例によって、これを動画撮影時のワイヤレストランスミッターとして活用出来ないか?という話となる。
まず、専用のデジタルワイヤレストランスミッターとしては、オーディをテクニカがATW-1701というカメラマウントのデジタルワイヤレスを最近発売しており、意外とリーズナブルな価格設定で、仕込みピンマイク用としては、現在最有力候補となるのは間違いない。だが、私の使用目的に於て一つ問題がある。この手の機種としては当然のことなのだが、ATW-1701は、モノラルなのだ。個人レベルの音楽系の動画撮影が多い私の場合、PAから貰った2ch音声を無線でカメラまで送れないか?とか、ステージ近くに仕込んだステレオマイクの音を送れないか?等々、ステレオである事が必須となるのだ。勿論ATW-1701を2セット買えば済むのだが、使用頻度の低さを踏まえるとちょっとコスト的に厳しい。
そこで、DW-05を少々改造して、ステレオデジタルワイヤレストランスミッターとして流用できれば、コスト的にも活用範囲に於ても画期的なものとなると企んだ次第だ。
 
色々と調べてみたところ、このDW-05と言う機種は、数あるデジタルワイヤレスヘッドフォンの中でも、特殊な存在だ。
多くこの手のワイヤレスヘッドフォンに使われているBluetoothは、データ圧縮による音声の劣化と、変動する遅延を伴う。
特に、この変動する遅延は、録音用デジタルトランスミッターとして使用した際、致命的な欠点であり、以前掲載したBluetoothをワイヤレスに活用する手法に於いてもそれが元で挫折に至っている。DW-05は遅延の変動しない独自の2.4GHz通信をフルビットで行っており、録音用として圧倒的に有利だ。
取り合えず簡易的に測定してみたところ遅延は40mmsecの固定となっているようで、何度か電源の入り切りをしても、その値は変らなかった。
40mmsecと言うのは最近のワイヤレスマイク(数ミリsec)のそれと比較して非常に大きい値と言えそうで、ハッキリと聴いて判るし、編集時に対策を必要とするものだが、いつも一定の値であれば、それに合わせて作業するだけなので比較的問題になりにくい。
何よりも、このDW-05が魅力的だったのは、Bluetoothでないデジタルワイヤレスに於て、低価格ながらも送信機がバッテリー内蔵の小型なものだと言う事だ。送信側は無改造で使用できる。
 
では、具体的にどうするか?幾つか考えてみた・・
一つは、ヘッドフォンは分解し、中の受信ユニットを抜き出し、別のケースに入れてそれらしい受信機を作ると言う方法。
この場合ヘッドフォンとして使用出来なくなるし、各スイッチやボリュームつまみ等に合わせたケースの設計・加工が必要となる。
もう一つの方法は、ヘッドフォンの構造はそのまま生かし、ドライバユニットに繋がる線から、信号を拝借してくる方法。これなら比較的簡単に実現出来る。
今回は後者で行く事とした。
 
早速分解してみたのが、この写真だ。
Dscf5081
ついでに裏もDscf5084
判りやすく、各ユニット向けに線がハンダ付けされているポイントが有る。
ここから線をパラって、外に出せば最低限の目的は達成出来るのだが、その場合、最終出力段のアンプがユニットをドライブする分、シグナルの暴れが起き、それがそのまま出力される事となる。より手前の段からシグナルを取れれば問題ないが、それより、ドライブユニットを切り離してしまった方が間違いない。
そこで、スイッチ付き3.5mmジャックを増設し、ケーブルが刺さっている際には、出力段直結のシグナルが取れるようにした。
ついでに、ユニット直結のジャックも儲け、配線は以下のようになった。
Dw05revc
そして取り付けたところ
Dscf5087
折角の無線ヘッドフォンが、線だらけになるのは笑える皮肉な結果だが、これはこれで色々活用出来そうだ。
 
1.普段は何もケーブルを差さずノーマルなDW-05として使用。
 
2.撮影現場では、最初のセッティング段階でステージマイクやPAからのラインなどへ、送信機のセッティング時にワイヤレスヘッドフォンとして、正しく音が来ているか?確認に使用。
 
3.レコーダーセッティング時、DW-05のOUT側端子からレコーダー入力に差し、ワイヤレスレコーディングがセット完了。
 
4.レコーダーからDW-05のIN側端子にもう一本線を繋ぎ、レコーダートータルのモニターとして使用。
 
つまり、この二つのジャックにより、ワイヤレスヘッドフォン・ワイヤレスレシーバー・有線ヘッドフォンの3種類の使い方ができるようになった訳だ。
本格的なデジタルワイヤレスとして考えると本稿のDW-05の応用は遅延が多すぎたり、足りない点も有る。しかし、基本的にはモニターヘッドフォンとして現場に持ち込み、いざと言う時にはトランスミッターとして転用出来ると考えると、なかなか便利なグッズになってくれた。
 
 

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