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2014年8月

2014年8月24日 (日)

ZOOM H6実践向けに一工夫

ZOOM H6購入から数ヶ月が経ち、その間に何度か撮影現場に持ち出して実戦使用してきた。
改めて随分遅くなったレポートをまとめてみる。
 
良い点
  • 音が良い。
    XLR入力はクオリティも高く、S/NもEIN -120dBuと必要にして充分な値。
    付属マイクの音も繊細でバランスよく癖のない音が録れ、楽器との相性を選ばない。
    それ故、高品質の音が全てのトラックで録れる事となり、トータルでの完成度が高い物が確実に作れる。
    勿論、単体のマイクプリ等には、よりS/Nの良い物など存在するが、殆どのコンデンサーマイクがEINでは-110dBU〜-118dBU程度であるので、ダイナミックマイクで小さい音量の対象を狙うなどの意地悪をしない限り、このEIN -120dBuスペックで充分目的を達する。
     
  • XLR +4dBのラインが受けられる。
    PA卓からの+4dbを受ける為に、以前は自作した変換&アッテネーターケーブルでレコーダーの3.5mmステレオジャックに入れていた。ラインレベルなので音質的に問題になる事も無かったのだが、そもそも貧弱な3.5mmステレオケーブルが怪しげな変換で繋がったプラグを卓に差してもらうのは、初対面のPAさんにお願いし難いという点も有った。
    向こうもプロのお仕事なわけで、トラブルを起さない為にも卓に信用出来ないものを繋ぎたくは無い筈だ(こちらで正しい変換をしていても)。
    その点、明らかにXLR +4dbが受けられそうな出で立ちのZOOM H6を使い、ごく普通のXLRのケーブル2本を差しだせば、快く卓のラインアウトに繋いで貰える。現場では意外とこの様なストレスフリーが重要だったりもする。
     
  • 6トラックの有り難さ。
    それほど入力機材を持っていない私は、殆どのケースで、4トラック有れば事足りてしまう。それ故ZOOM H5で充分と言う考えも有った。
    しかし、実際現場で考えながらセッティングをする際、入力数に余裕が有る事から、面倒な事を考えなくて済むのは非常に有り難い。例えば、要らないとは思うけど、念のため5,6トラックに別のマイク差しておこう、等となるケースも多いのだが、それを仕方なく別のレコーダーに繋ぐ事を余儀なくされるのでは、そもそもマルチトラックの意味が無い。
     
  • 接続と操作系の相関が判りやすい。
    後述する通り、セッティングの方向に悩むデザインでは有るが、替わりに、どのボリュームやPADスイッチがどの入力に対するものか、あまりに判りやすい。
    本体裏側に6個の入力ジャックが有る様な機材なら、何処にどれを差したか覚えておく必要が有るが、ZOOM H6は、ケーブルの刺さっている場所と操作すべきつまみの相関が一目瞭然なのでミスのしようが無い。この安心感とストレスの無さは素晴らしい。
  •  
ちょっとした悩み・・
  • どういう向きでセッティングすれば良いのか悩む。
    ディスプレイが斜めに手前側に傾いているのは親切な設計だが、使いやすい回転つまみインプットボリュームは、真上を向いている。
    更に目盛りに対応する矢印は上側(つまり奥側)に表記され、本体真上に近い角度から見ないと確認出来ない。
    Dscf4703
    Dscf4705_2カメラの上にマイクを正面に向けてセッティングすると、インプットボリュームの数字を読む為に脚立に登る羽目にさえなる(経験済み)。
    これを回避する為に、矢印を下側に設け、ボリュームつまみの側面に数字を書いて欲しかった。
    取り合えず、自分で使うだけなら・・・と、目盛りシールをプリンタで作り、つまみに巻き付けてみた。
    Dscf4716
    これは非常に便利な改造と言え、手前側からでもかなり正確にレベルが読み取れる様になった。
    また、こうする事で、ウインドジャマー使用時も目盛りが読み取れると言うメリットも有る。
    Dscf4717
    このような改善は、オプションなどで部品を売るとか、変更サービスをメーカーでやってくれると有り難いのだが。
     
    上記の様な対策をしてみた訳だが、それよりも本当はXYマイクは取り外して延長ケーブル(50センチ程度でも良いので)で本体とは無関係な向きにセッティングできれば有り難い。
    勿論、他にいくらでも入力は有るので、付属マイクは使わずに、別に用意したマイクを使う事として、本体を自由な角度にセッティングすれば良いのだが、そう割り切るには、付属マイクの出来が良過ぎるのだ。
     
  • 三脚取付けネジ穴の出来が悪い。
    ZOOMはどうもこの三脚ネジ穴の設計が苦手のようで、本機も同様だった。Dscf4708
    樹脂製ボディに1/4インチネジ受けを埋め込むような作りになっているが、底面より0.8mm程スリーブが浮いている。これにより、回転方向の固定に底面のグリップが使えなくなる為、相当きつくネジを締める羽目になってしまう。これを避ける為1mm厚のゴムシートを周囲に貼ってみた。
    Dscf4709
    これによりある程度落ち着く様になったが、逆にこの状態で無理にネジを締めると、ネジを受けている金具を樹脂ボディから引き抜く力が強く発生し、壊す危険が有る為、あまりお勧めはしない。
まとめ
多少の不満は有るものの、総じて非常に満足度が高く、何よりも完成度が高く、実践的な安心感が素晴らしい。
・優秀なステレオマイク
・質の高い6chマイクプリ
・6トラックレコーダー
これらをそれぞれの要素で揃えても、各々がZOOM H6の本体価格を上回ってしまいそうで、このコストパフォーマンスの高さは画期的だ。
またそれ以上に、通常考え得る録音と言う目的に於いて、殆どこれ一台で済ます事が出来そうな、キャパシティの高さも本機の価値であろう。
 
 
追記・・・・
次に欲しくなるもの
ZOOM H5もこのH6のダウンサイズ版としての魅力が有るが、それよりもっと割り切った仕様で更なるダウンサイズを施した、2トラック版を出して欲しいと思う。H6の1/2程度のサイズで、同じマイクプリを内蔵して、2chながらもH6と全く同じクオリティの録音ができるのであれば、非常に重宝しそうだ。マイクカプセルもH6のものが差せるようになっていれば、サブ機として必須のものとなりそうだ。ZOOMさん、こういう展開も一度考えてみてくれませんか?

2014年8月10日 (日)

OLYMPUS ZD II 14-54mmとGH4

GH4のレンズの悩み・続編

マルチカム撮影時の2nd用にOLYMPUS ZD II 14-54mmを買ってみた。
実際使ってみると充分メインにも使える非常に重宝なレンズである事が判り、実際これ一本でGH4で4K撮影も試みたところ、非常に素晴らしい映像が撮れる事が判った。
4/3動画撮影のレンズ選びと言う観点も踏まえレポートしてみる。
Dscf4690
ZD 14-54mmは、フォーサーズ用の標準系定番として人気の有ったレンズで、フォーサーズの評価を得る為にか?オリンパスも気合いを入れて開発したものと思われ、品質も高くバランスの良いレンズだ。しかし、最近は他のマウントに移った人が手放し、中古市場に安く出回っていて3万程度で買える様になった。
他に12-60SWDという選択も有ったが、店頭で試させてもらった際、AF時チッチッチッと断続的にフォーカスを送るような音がし(ネット上で他にも同様の報告有り)相性が悪いかと懸念され見送り、14-54mmに落ち着いた。
 
先に、ZD 14-54mmの短所だが・・・
 
・手ブレ補正が無い(オリンパスだから当たり前)
・AFが遅い(AFCは作動しない)
・F値が変る
 以上だ、
この短所が何らか引っかかる撮影に於ては使用しないのが正解だ。
つまりこれ一本のメインレンズには少々無理が有る。
 
長所は、以下のようになる。
 
・画角
4K時35mmフルサイズ換算で35-135mm
 3.86倍と倍率的には、それほど目立った値では無いが、画角のレンジが非常においしいゾーンと言えよう(GH2で使用時は27-103mm)。
 
・画質
充分にして丁度良い解像感
 フォーサーズ用竹レンズだけ有り、全域でカリカリしすぎない範疇で解像し、抜けも良く、歪曲や収差など目立った弱点も無い。
 
・機能上のメリット
絞り制御出来る
 フォーサーズレンズなのでアダプタ経由でもSオート時に露出補正が可能。これが出来ないニコンマウントなどのアダプター経由レンズは、条件を選ぶ事となる。
 
マニュアルフォーカスの操作性が良い
 電動マニュアルフォーカスであるが、自然な動作感で、リングの回転角も大きく、マニュアルフォーカスが非常にやりやすい。
 
電源オフ時フォーカス位置が保持される
 購入後に気が付いた事なのだが、MF時電源を一度オフにしてもフォーカス位置がリセットされない。これは後述のライブ舞台撮影等で絶大なメリットとなる。
 
 
GH4に限らずパナソニックのm4/3機は電源オフ時にフォーカスの位置をリセットしてしまう(オリンパス機は回避する設定が出来る)。
これは、ライブや舞台などの撮影に於いて非常に困った仕様となっている。通常マルチカムの各カメラのセッティングは開場前のリハやゲネプロ時に済ませるのだが、その後本番までは一時間以上の間が空く。この間電池の消耗を防ぐべくカメラの電源を落とすとパナ純正レンズはフォーカスがリセットされる。この為、電源をオフにしておく事は避けていた。また細かい事として、スリープならフォーカスポイントは保持されるのだが(この事実は最近知った)、スリープ解除はリモコン端子からの半押しシグナルでは出来ない。これらの諸々が重なり、このカメラセッティング完了後、本番撮影までの待ち時間は、妙な緊張感の有る落ち着かない時間を過ごしていた。電源オフでフォーカス位置が保持され、且つ露出オートがフル機能使えるこのレンズは非常に貴重な存在なのだ。パナソニックの開発サイドでもう少しこの様な現場の悩みを理解して欲しいと感じる。
 
Dscf4688
パナの12-35と較べひと回りは大きい、GH4なら、何とか許容出来るサイズ。
お約束の角型フードはMinolta D70KA 67mmのフィルタにぴたりと取りつけ出来る。
 

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