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2013年2月19日 (火)

Zoom H1

全く持って、今更ながらZoom H1 (ver2)を買ってしまった。
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似たような物としてTascam DR-07mkIIを持っていて、録れる音に十分満足している筈なのにだ。
実際、内蔵マイクで録り較べてみると、Zoom H1よりDR-07mkIIの方が繊細な音が録れる事が、購入してみて判ったが、それもほぼ予想通りだった。
では何故、Zoom H1なのかと言うと、リグなどに取り付け、外部入力のレコーダーとして使用した際にはこちらの方が、小型でハンドリングが良さそうだったからだ。
最近時折行うジャズのライブ撮影などの際、自作した外部マイクに、これまた自作したプリアンプをかまして収録していたのだが、その受けはSANYO PS401RNを使用していた。DR-07mkIIは、単独でバックアップとして内蔵マイク収録をさせていたからだ。流石に48k 16bit止まりのPS401をメインに使うのは忍びないので、これの後継としてZoom H1となった訳だ。何しろ1万円を大きく下回る値段は、機材と言うよりリグに付ける部品に近い領域なので必要と有らば躊躇する理由は無い。
 
 
レビュー的な意味も含めZoom H1について
  • 使い勝手
    「電源オン=録音スタンバイ」これが他のレコーダーと大きく違うところだ。DR07-mkIIを含む殆どのレコーダーは、起動後に録音ボタン一度押しで、録音スタンバイ。もう一度押すと録音開始、となるが、Zoom H1は電源入れて、録音ボタン一度押しで録音開始となる。他のレコーダーは録音の停止にストップボタンを使用すると(カット毎に別ファイルにする為に必要)次は二度押しが必要となるが、Zoom H1は、録音ボタンを一度づつ押して、録音<->スタンバイを繰り返し別ファイルを作ってくれる。これはデジタルカメラなどと同じ動作となるので、現場で押し忘れと言うミスを大幅に防げ、混乱を軽減する。この事だけでも敢えてZoom H1を選ぶメリットが有る。もっとも、再生モードに入ってしまうと抜けるのに録音ボタンを押す必要が有るので、そこだけは注意が必要だが。
    他に、設定などがシンプルで皆スイッチで切り替えるので一目で現在の設定が把握出来ミスが少なくなる点も現場向きだ。
     
  • サイズ重量
    詳しい寸法は、メーカーの仕様に譲るが、DR-07mkIIと較べ大きさ重さも約半分と言う感じだ。単独で使用する際にはあまり気にならない差だが、小柄なGH2の周辺に取り付ける際には大きな違いとなる。リグに付けたちょっとしたリモコンの様な感覚だ。
     
  • 外部入力
    ヘッドアンプ自体のSNは悪くないようではあるが、録音を開始するとボッボッボッと言うノイズが入る。無接続のプラグを入力端子に挿しても発生するので内部的に発生するノイズの様だ。フォーマットを変更するとそのピッチが変るところから、カード書き込みに関するノイズが回り込んでいると思われる。個体差や不良品の可能性も有るので断言出来ないが、当面はマイクプリで増幅したラインレベルを録音する専用機となりそうだ。
     
  • 三脚ネジ穴
    ネットでも多く見かける通り三脚ネジ穴の出来が悪い。最初はネジ一回転分程度しか入らず驚いたが、無理やり金属のネジをねじ込んで何度か繰り返すうちに普通に使えるようになった。多少の渋さは、樹脂のネジ部なので仕方ないと言えるが、これは多少とは言えないレベルと感じた。
     
  • 内蔵マイク
    決して悪くは無い、普通に十分高音質な録音が出来る。音質は比較的大人し目の柔らかい音だが自然で聴きやすい。セリフなどより楽器演奏に合いそうな印象だ。指向性は上手くチューニングされているようでステレオ感も定位感も良いバランスだ。
     
  • タッチノイズ
    内蔵マイク録音状態で本体を叩くとゴーンゴーンと共振音が響く。内蔵マイクはあまり使用しない予定に有ったが、これは少々気になる。取り合えずボディ上面にゴムを張ってみたが殆ど効果なし。ならばマイクユニット部を、と思い、本LRのマイクユニットの先端近辺に防震ゴムを差し込んでみたところ、ビンゴ!どうもこの樹脂製のマイクホルダー部の取付け強度に難があるらしく、これが盛大に共振しているらしい。これを押さえる事で随分無駄な響きがなくなり聴きやすくなった。
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  • シューマウント
    1/4インチ三脚ネジ穴が基本的な取付け手段となる訳だが、出来の悪いネジ穴を利用しての現場での頻繁な付け外しはストレスの原因となるのは明白だ。早速シューマウントを取り付ける。純正オプションも有るようだが、よりコンパクトになる物が手持ちに有ったのでそれを活用した。リグ搭載時には、内蔵マイクは使わない予定なので、ここにサスペンションは介させず直付けとする。これにより、非常にコンパクトに収まるようになる。
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  • ZoomH1まとめ
    サイズ・価格・使い勝手(特に現場での確実性)に於て、なかなかデジイチムービーの同録機としてふさわしい機種である事が判った。なるほど多くの人がこれをその様な目的に購入しているのも頷ける。但し、目的を限定しないといわゆる入門機らしい制約にぶつかってしまうのも事実だ。細かいところを改善させ多少コストアップになっても構わないので、よりこの動画用レコーダーとして特化したものをリリースして欲しいとも思える。より指向性を高めたり、SNを向上させたり、リモコンが使用可能であったりしてくれれば最高だ。勿論より多くを望む人は上位機種をというのは有るが、値段以上に大きさ重さが二の足を踏ませてしまう。
 
関連して
  • サスペンションマウント
    今回はこのZoom H1用と言うより、シューマウント系のマイクなど色々と使えるようにとサスペンションアダプターを急きょ簡単に作ってみた。シューマウントのオスからメスの間にゴムバンドによるサスペンション構造とした。
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    これにより潔くH1はシューマウント直付けと出来た訳だ。作るのは簡単では有るが、見映えの問題も有るので、どこかのメーカーでこれと同様のものを市販してくれないものかとつくづく思う。かろうじて近いものにRycoteポータブルレコーダーサスペンションなるものが出ているが少々かさばり具合が気になる。
     
  • シューマウント部品
    ちなみに、前述のシューマウント化する部品だが、サンテック SPミニボールヘッドシューと言う物を購入している。しっかりしたボールヘッドがついているのだが、外して別々に使えるのだ。小型のボールヘッドはいくら有っても足りない位なので、これを買って分けて使っている。ちなみにシューマウント部は、別に1/4インチのナットなどが必要とはなる。
     
  • ポータブルレコーダーなどのSN
    本格的な測定機材が有る訳でも無いので、おおよその目安に過ぎないが、幾つか手元の機材のSNを調べてみた。
    方法はiPodからアッテネーター経由で一定の1kHzのサイン波を出し、それを録音又は増幅させる。それをSoundTrackProにプラグインさせたVoxengoのSpanのRMS表示させ、サイン波のレベルからゲインを算出し無音部との比較でSNを計測した。
    尚比較がややこしいので0dbVからの入力換算ノイズのみとする(A weightは無視)。
     
  • 自作マイクプリアンプ OPA2134一段構成 -112db
  • 自作マイクプリアンプ JRC2043二段構成 -118db
  • TascamDR-07mkII -105db
  • SANYO PS401RM -102db
  • Zoom H1 -91db(microSD)
  • Zoom H1 -104db(USB)
  • Lumix GH2 -116db
     
    以上のようになった。
    Zoom H1(microSD)の-91dbは、例のボーティング系のデジタルノイズが足を引っ張っているようで、USB接続時には問題ない。この手の爆音ライブ対応の音楽用低価格ハンディレコーダーは耐入力が高い替わりに小音量時のSNにはあまり注力されていない印象だ。この辺りは割り切って必要な状況に応じてSNの良いマイクプリで補って行くのが妥当であろう。
     
    意外な結果に驚いたのがGH2の-116dbという自作マイクプリにも劣らない値だ。過去にGH2のマイクプリの性能はたいした事は無いと書いた記憶が有るが、間違いだった。極めて小入力に強い高品質なマイクプリだと言える。しかし、このGH2のマイク入力は逆に入力耐性が低く、ちょっとしたレベルの入力でリミッターの調整域を超えてクリップしてしまう。最低感度に設定しても他のレコーダーの最高感度と同等程度にしか感度が下がらず、これが扱い難さを招いている。また収録された音声の周波数分布を観ると16kHz近辺でばっさりと切られそれ以上は20db以上下がっている。人の声などの収録には向いていると言えるが、音楽などには不向きな仕様だ。
 
業務用レベルの高価な機材をこの辺りに導入すれば、悩みは一発で解決する。しかし、GH2の価格を考えればアンバランスだ。
こうして、安価な機材を上手く使い回して、業務レベルのクオリティを狙うのもこのジャンルの面白さの一面かも知れない。
 
※20130222追記
外部入力にてカード書き込みらしきボッボッボッというノイズが入る件について、メーカーに問い合わせしたところ、個体不良では無くやはりカード書き込みノイズの混入との回答が得られた。また、録音レベルを最大にするような使い方はあまり推奨しないとも書かれていた。その後再テストを行ったところカードをトランセンドのmicro SDHC 8GB class6からパナソニックのmicro SDHC 8GB class10に変更したらノイズレベルが5db程下がりノイズの音質も低音のみに変り聴感上はかなり改善された。このノイズが気になる場合はカードを変えてみる事をお勧めする。

※20130407再追記
更にその後色々と試し、モバイルバッテリーなどの外部電源を接続すれば、ほぼ問題ないレベルまでこのノイズを押さえ込む事が可能だと判った。
H1内部で単三電池一本の電圧を昇圧して、使用していると思われるが、その辺りに余裕がなく、電力を食うカード書き込みに大きな影響を受けて、ノイズが発生しているのでは無いかと推測される。内部を改造してコンデンサーを追加する等の方法で解決する事も不可能では無いが、現実的では無い。小型で安価なUSBモバイルバッテリーなどを購入し、シビアな録音時は電源供給をそれに依存する事が得策と思われる。

この低音ノイズは、現場での簡易なモニタリングでは気がつき難く、後でローカット処理をするハメになる。低感度で低音もしっかり拾える外部マイク使用時が最も影響を受けやすい(逆にそうでなければあまり問題になり難い)。このケースがあり得るのなら外部バッテリーは必須とも言えそうだ。

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